2024年8月10日土曜日

プリクリップ棒がズルいは古い。チョンボ棒を使ってもOS.RPである。安全のために積極的に使用するべきである リードクライミングにおいけるプリクリップ問題について

 


いきなり言いますが、プリクリップ棒(チョンボ棒)を使うとOSでもないしRPでもないし、使うべきではないとか言っているのは、古い人(ジ⚪︎イ)の戯言であると断言します。むしろ安全考慮しているのに、危険なことをさせようとする発言であり、もはや老害であります。ジ⚪︎イは以下内容をよく読んでから今後の発言をしていただきたいと思います。


・プリクリップ棒、プリクリップ、チョンボ棒とはなにか?

Trango ベータスティック EVO 伸縮スティッククリップ

プリクリップとはこちらの写真のようなアイテムを使い、リードクライミングにおいて、1ピン、2ピン目にあらかじめクイックドロー(ヌンチャク)およびロープを通しておいておくことをプリクリップと言います。これをするには専用の道具が必要で、このプリクリップする棒をプリクリップ棒と言います。

これは2ピン目までプリクリップしている

プリクリップすると、プリクリップしたところまでのヌン掛けやロープクリップを短縮できるためズルい。ということでチョンボ=麻雀用語で反則行為を意味しています。
ゆえにプリクリップ棒をチョンボ棒と呼ぶ人もいます。


・なぜプリクリップがズルいのか?

ジ○イは言います。チョンボ棒を使うのは完登ではない。
完登とは、初登と同じスタイルかそれよりも優れたスタイルで登ることが前提となっている。
ほとんどの場合、最初に登った人はプリクリップしていないと思われるため、プリクリップするのは完登ではない。というのがジ○イの言い分です。

しかし、「完登」で調べても、「ロープにテンションをかけずに最後まで登りきること」という定義が一般的なようです。私もそう思います。


・なんでプリクリップをするのか?グラウンドフォールを避けるため

そもそもなんでプリクリップするかというと、下の方で落ちると、グラウンドフォール(地面への落下)のリスクが非常に高いためです。
グラウンドフォールをすると、怪我をします。普通の社会人は怪我をすると会社や同僚に迷惑をかけます。家族にも迷惑かけるかもしれません。それどころか打ちどころが悪かったら障害を負うかもしれません。
だから、怪我をしないためにグラウンドフォールのリスクを下げるためにプリクリップします。


・ビレイにおける体重差問題があるからプリクリップをする

筆者である私は体重が70kg後半(多い時は80~90kg)の非常に重いテブクライマーです。身長は184cmあるのでどうしても重くなります。
リードクライミングにおいて、重いというのは登るのが不利になるだけではなく、ビレイにも問題がでてきます。

クライマーとビレイヤーの体重の差は10kg以上あると要注意です。それくらいの差があると、落ちた時にシーソーのように重い人が下にいきます。これが命取りになります。
リードクライマーが重くて、ビレイヤーが軽いと落ちた時にクライマーが下に落ちた分、ビレイヤーも上に引き上げられ、場合よっては岩に激突したり、この動画のように二人が激突するリスクもあります。




小柄な人が多い日本人、とくに女性がビレイヤーとなると、平均体重50kg程度です。
そしてクライマーの多くは細身で体重が軽い人が多いです。もっというとクライミングは体重軽い人が有利なので、長く続けている人は必然的に細身で背が平均またはそれ以下の人が非常に多いです。私ほどの長身クライマーはほとんどいません。よって、常に体重差の問題(危険)があります。

私は、体重差の問題がないビレイをしてもらったことなんて今までのクライミング人生で全体の1%もありません。むしろ重い人はほとんど生き残りません。

この体重差がある状態だと、2ピン目以降もグランドフォールおよびビレイヤーに怪我を負わせるリスクが非常に高いです。
じゃあ体重差ないビレイヤー探せとジ⚪︎イは言いそうですが、先ほど書いたように、長身の重いクライマーはほぼいません。軽い人が有利なクライミングで、生き残っているジ⚪︎イはほとんどがチビです。(長身のデブの人のことを考えていないと思われる問題なのであえていいます)

そんな重いクライマーのために、体重差をなくしてくれるアイテムがありますが、これも2ピン目までかけて初めて効果を発揮します。1ピン目だと体重差問題は解決しない。


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だから、私はできるだけ2ピン目までプリクリップします。これは私だけの安全ではなく、ビレイヤーの安全のためにもそうしています。


・プリクリップをするとOSでもないしRPでもない?

OSとRPがわからない人のために書く用語を説明しておきます。

OS=オンサイト。事前に他人の登りを見ることなく、初めてのトライで課題を完登すること。 完登の中で最も価値が高く、一撃とも言う。
RP=一度でも登ったことあるルートで、2回目以降のトライで課題を完登すること。
ちなみに触ったことなくても他の人のトライをみて一発目で完登すると、FL(フラッシュ)と言います。

クライミングではオンサイトが一番美しいとされ、オンサイトは一生に一回しか挑戦できません。

ジ○イは言います。チョンボ棒を使うのは完登ではない。だからOSでもないしRPでもない。

しかし、そんなことはありません。ここまで長々と述べてきたように怪我を予防するため、安全のためにして悪いことなんて一つもありません。

そんなことはありません。世界のアダムオンドラだって動画みていると、下の方予めクリップして登ってRPだ!みたいな動画をみます(もしかしたら動画カットしてるだけかもしれませんが)

だから、こちらの動画のように私はプリクリップしてもOS、RPといつも言っています。これがジ○イは気に入らないらしい。
この動画でも、当時の体重約76kgの私を体重48kgの女性がビレイしています。この状態でも、プリクリップはズルだとかOSではないとかまだ言いますか?





以上。プリクリップはOSではないだとRPではないだの問題に関することを書かせていただきました。一部不適切な発言があるとは思いますが、この問題に関して言っている、あるいは書いている人の内容を見るとデカくて重いクライマーへの差別発言と私は感じるため、あえて強い言葉で書かせていただきました。そこに関しては謝罪しますが、プリクリップを悪だと発言するのは本当にやめていただきたい。

それでもなんやかんや言いたい人はぜひコメントください。






7 件のコメント:

  1. 安全を確保することと、フリークライミングとしての完登を試みることを混同なされているように思います。
    安全を確保し自身の限界をプッシュすることはそれはそれで価値のあるトライかと思いますが、プリクリ棒の使用はあえて分類すれば(部分的)トップロープとなるでしょう。トップロープとリードは別物なのはクライマーであれば説明するまでもなくお分かりいただけることかと思います。

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  2. 自分はグランドフォールの恐怖、クライマー、ビレイヤーも怪我をするリスク、それを踏まえて、極力安全に配慮して登ってます。

    危ないから、安全を考えるのは良いと思います。
    ただOS、フラッシュだとか自己顕示欲で言うのは違うと思います。

    言葉表面の意味のあげ足をとるのではなく、クライマーとしての誇り。

    ロープにテンション入れなければ完登という意味なら、4ピンでも6ピンプリでも完登になります

    安全の為に、プリクリップ、チョン棒、クラッシュパッドの使用は賛成です。

    しかし、クライミングスタイルを尊重する事も、とても大切です。

    相反する中で、自分がどんなスタイルを選ぶのかは自由です。他人に強要するものでもなく、自己顕示欲の為でもない。

    もし、出だし核心のルートで、自分が恐怖に打ち勝って、たくさんの努力の上に初登したルートを、
    安全だからと言って、プリクリップで登られたらどう感じますか??

    また、グレーディングにはグランドフォールの危険性も含まれてます。

    自分でクリップをした後にクライムダウンできた時に、その状態から登るのは完登と言うのが一般的です。

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  3. 自分も大きいほうなので辛さはわかります。小柄な人からはリーチがあっていいなとうらやましがられますが、小さくて軽いほうが羨ましい。ないものねだりですね。

    しかし、まこさんの主張する、プリクリップしてもOS・RPというのはフリークライミングの厳しさから遠のいている気がして賛同できません。
    プリクリップしたけど、〇ピン目からはリードしました。それで完登できました!で、十分良くないですか?まこさんの主張で言うなら、10ピン中間支点があるルートで9ピン目までTR状態にしていて、9~10ピン間だけをリードしてもOS・RPになるということですよね。グレーな状態を放置したまま、OSやRPを語るのは違いませんかね。

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  4. 体重のことが気になるのならご自身と同じくらいの体格のビレイヤーを見つけるのはいかがでしょうか?それでもグラウンドフォールが心配なのであれば、それはまだそのルートをリードするのが早いのでは?他の方のコメントでもありますが、あなた自身の心配や不安な気持ちとクライミングにおける一般的な概念を混同しない方が良いと思います。プリクリップやトップロープで楽しむのは個人の自由ですし全く問題ないと思います。安全に楽しんでください。

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  5. 僕は身長180cm、体重70キロです。ビレイヤーの女性は身長153cm、体重48キロです。ですから同じような悩みをかかえていると思います。僕はプリクリ棒は使ったことがありませんが、ビレイヤーが立木やカムでセルフビレイを取ることで安全を確保してます。そしてビレイの練習を何度も何度も繰り返しました。おかげで1ピン目で落ちてもグランドしたことはありません。グランドフォールはすべてのクライマーに共通のリスクです。それを回避するためにあなたはあなたなりにプリクリップという手法を採用しているわけで、それはそれで大賛成です!そしてそれを自分なりに自覚したうえで、OS、RPとおっしゃるのも僕は反対しません。ただ、それを公言すると、定義にこだわる人が色んな意見を言ってくるでしょうね、上のコメントのように。でも、お互い、安全第一でクライミングを楽しみましょう。

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  6. 同じ状況ですね。確かにその方法もありますが、墜落が激しいとビレイヤーの腰への衝撃が心配です。実際にこれで腰痛持ちのクライマーの腰を痛めてしまったことがあります。おかげでグラウンドフォールはしませんでしたが。

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  7.  大前提として、私はプリクリップを否定しませんし、筆者様がご自身のやり方で登り、それをご自身でどう呼ぶかについても否定しません。ただ、投稿の中で気になる表現があったのでコメントさせていただきます。
     文中序盤の「むしろ安全考慮しているのに、危険なことをさせようとする発言であり、もはや老害であります。」という表現ですが、ご自身の主張とそれに噛み合わない意見に対して強い言葉を使う姿勢は、登山中の遭難に関する報道に対して心無いコメントを残す人と重なるものを感じ、非常に興味深いものがあります。極論、安全を考慮するのであればジム壁やトップロープトライがより適していると思います。しかし、ジム壁でもなくトップロープトライでもなく、2ピン目までのプリクリップをするのは、筆者様なりの安全確保の方法であったり、自己表現の方法なのでしょう。それを一般的にはスタイルと呼ぶのだろうと思います。山岳遭難案件に対して騒ぐ人々と、我々登山者はスタイルが違うのだと思います。同様にクライミングのスタイルもひとそれぞれなのではないでしょうか。冒頭でも述べたとおり、私はプリクリップを否定しませんし、筆者様のスタイルを筆者様がどう呼ぶかについても否定しません。私はスタイルが違うことを理由に相手を侮辱したり、否定することは良くないことだと思います。歴史が語るように、他者へのリスペクトを欠いた主張は余計な紛争を招きます。本件の場合、クライミングの歴史・文化や他者に対するリスペクトの欠如を感じました。もちろん、筆者様がこういった表現に至るまでの過程については知る由もありません。筆者様のいう老害やジ○イにリスペクトを欠いた物言いをされたものと推察できます。筆者様は本ブログに限らず、様々な媒体でご自身の活動を発信されており、ブログプロフィールにて活動への思いとして「皆様と情報を共有して登山を盛り上げていきたいと思っています。」と掲げていらっしゃいます。筆者様は一般的なクライマー・登山者・スキーヤーよりも影響力があるものと存じます。そういった方が本記事のような表現をすることは、登山を盛り上げるどころか分断を生む行為と捉えられかねません。
     長々と書きましたが、要は筆者様はご自身のスタイルに他者から文句を言われること、つまり他者から認められていない状態が好ましくないのではないでしょうか。ご自身のスタイルを他者に認めさせたいのであればその影響力をもっと活用すべきです。記事の最後でコメントを求めているのにも関わらず、何も返信しないのが残念でなりません。これでは一方的な発言で何の解決にもならないのではないでしょうか。
     最後に、この投稿をみて私自身も他者に何気なくスタイルを押し付けたりしていたような気がしました。私もクライミングの文化や他者に対するリスペクトにより一層注意を払わねば、と思いました。
      

    P.S.
    そもそも、ビレイヤーとの体格差を気にするようなルートに取り付くことが相手への安全配慮不足なのではとも思います(当方170cm、70kg、♂、女性パートナーがいないことの嫉妬ではありません)

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