2024年7月10日水曜日

【山岳医療】ストックを使った松葉杖の作り方







ストックを2本用意。


①長さを脇の下から3cmくらいにセットする。

②2本のストックの石突部分をテーピングテープやガムテープで束ねる。

③ストラップを長めに引き出し、両方のグリップに引っ掛けて脇台作成。

④持ち手の高さを決め、テープで持ち手を作成。

⑤脇台と持ち手にタオルや布を巻く。



(参考文献)

稲葉俊郎 山のメディスン








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当ブログ内「山岳医療」関連記事の内容は個人の知識・技術の向上のためにお役立てください。

特定のノウハウや治療法を推奨するものではなく、最適解は状況により異なります。

個々の事例に対する責任は一切負いません。

2024年7月4日木曜日

熊鈴の効果 クマよけ鈴は携行してはいけません ヒグマ対策



【はじめに】


クマは、ツキノワグマとヒグマがいますが、今回は北海道のいるヒグマを対象としています。

現在も熊が現れるたびにニュースになるため山には熊がいて危険と考える方も多いと思います。

北海道でも2023年に北海道南部の大千軒岳で男子大学生がクマに襲われ死亡したという痛ましい事故がありました。

少しでもクマ被害を減らすために、北海道野生動物研究所の門崎氏から直接いただいた情報および、筆者である山のまこちゃんの10年以上の登山経験、ドローンによるヒグマ調査経験をもとにクマ対策についてお話ししていきます。

筆者のプロフィールはこちら


【熊鈴はいらない】


登山をはじめると考えるのが熊の問題。

登山用品店に行くと必ず売っている熊鈴。山に行くには必ずこれが必要だと思う方も多いでしょう。

しかし、クマ鈴は携行してはいけません。これはずっと鳴らしっぱなしのラジオも同様です。

理由は・・・

熊の警戒音に気づけない(気配に気づけない)

クマ鈴やラジオを常に鳴らしていると、周りの音を聞くことができなくなります。

鈴の音は、熊にしたら聞きなれた音です。むしろ人間だと認識されていて、地域によっては熊鈴をつけているほうが寄ってくるという話しも聞きます。

そして、筆者自身、クマ鈴を鳴らしていても熊に遭遇したことがあります。

そのため、私は同行者に熊鈴を持っている人がいるとザックにしまうか置いてくるようにお願いします。

熊鈴は、自分より遅い人を抜かすための人避け程度にしか使えません。じゃらじゃら鳴らしていてれば人間には自分の存在をアピールできます。

【熊対策について】


熊撃退スプレーは有効なのか?






いわゆるクマよけスプレーは状況が良ければ使えます。

利用条件は、クマが風下側にいる場合です。

しかし、クマが風下側にいる場合は、人間の匂いに気づくので普通は熊がよけます。

そのため、クマに遭遇するのは、クマが風上側にいるときの確立が高いでしょう。
このとき、クマスプレーを噴射すると自分にかけるようなものです。

そのため、価格と重さの割にはあまり効果がないと言えるでしょう。
しかし、メンタル部分での安心感が半端ないので、安心感を求めるなら購入されてもいいかと思います。


ナタは有効



熊よけスプレーは高すぎる。。。という場合は接近戦になった場合に備えてナタを携行することをお勧めします。
万が一、クマに襲われたときの唯一の反撃手段として使います。
一撃を与えれば熊がびっくりして逃げたという事例はたくさんあるため、安くてかつ有効な手段と言えるでしょう。
そしてこれも持っていると安心感があります。

ビバークが必要になったときの焚き火用の巻き割りとしても使えます。ナイフの代わりにもなります。




【最も手軽で勝つ有効な熊対策】


熊鈴ではこちらが警戒音に気づけないため、時々自発的に大きな音を出せば熊はびっくりしてこちらに気づいて避けてくれる確率が高くなります。

大声を出してもいいのですが、疲れますよね。

だから大きな音がでるホイッスルを持つと便利です。

ホイッスルは、軽くて安くて手軽に対策できる有効手段です。
そして登山の装備として救助を呼ぶためにも使えるので基本的にホイッスルは必須装備です。

100円でもありますが、多くの笛は大きな音がでず、水に濡れてしまうと音が出なくなるのが欠点です。

こちらのFox 40ソニックブラストはとても大きな音が出て、水に濡れても音がでます。

熊の不安がある方は購入されることを強くお勧めいたします。







こちらの動画でも紹介しています。





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