【雪崩埋没者の死因】
ほとんど窒息(84%)。残りは外傷(15%)。
低体温症による心停止はまれ(1%)
【雪崩埋没者への対応の本質】
これは雪崩に限らず、どんな傷病者でも基本となる部分です。
①意識の確認
②呼吸の確認
③「意識・呼吸なし」→心肺蘇生
【雪崩埋没者に特有の留意点】
・窒息による心肺停止の可能性が高い。
・窒息による心肺停止か、低体温による心肺停止かの判断材料として、埋没時間を考慮する。
・埋没時間が60分以内であれば、窒息を疑う。
心肺蘇生の最初にまずは人工呼吸(5回)を行います。
20分以上の心肺蘇生にも反応がなければ、蘇生の見込みに乏しく、状況次第で蘇生処置中止も許容されます。
・埋没時間が60分を超えるのであれば、低体温症による心肺停止の可能性も出てくる。
呼吸や脈が非常に遅くなっていることがあるので、呼吸(と脈)の確認に最大1分間かける。
呼吸なしであれば、通常通りの心肺蘇生を継続します。
・心肺蘇生を行いながら、保温・加温も行う。
人手不足であれば、心肺蘇生が優先されます。
【key point】
・現場での混乱は必至です。
何分がカットオフ??人工呼吸何回だっけ??などと迷って対応が遅れるくらいなら、普通の心肺蘇生を救助隊が来るまで行ってください。
【救助隊へ引き継ぐこと】
・窒息の有無
口と鼻の両方が雪などで「完全に隙間なく詰まっている」のであれば「気道閉塞/窒息あり」。わずかでも隙間がある or よくわからない場合は「気道開通もしくは不明」と伝える。
(「窒息あり」の場合は回復の見込みが極めて乏しくなる。)
・雪崩発生時刻と掘り出し時刻(窒息していた時間)はその後の治療方針決定に必要な情報です。
【参考資料】
・2022 雪崩教本
・Avalanche Victim Resuscitation Checklist Revised 2023(ICAR)
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個々の事例に対する責任は一切負いません。
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