2024年5月9日木曜日

【山岳医療】クライミング外傷ー捻挫




クライミングおいて、足首の捻挫は珍しくないケガです。

クライミングに関連するケガの中で12%を占めます。(日本臨床スポーツ医学会誌:Vol. 27 No. 3, 2019.)


特に、着地の際につま先からついてしまうと、クライミングシューズの形状の関係で、捻挫を起こす確率が高まります。

また、リードクライミング中のフォールを、ハードキャッチ(俗に言うガッツンビレイ)で受け止めることでクライマーが壁に激突し、捻挫を起こすこともあります。

他に、クライミングジムではマットの継ぎ目に足が挟まったり、無理なムーブをすることで受傷することもあります。



捻挫を防ぐためには、

着地の際はかかとから着地するようにすること、

ボルダリングではできるだけクライムダウンすること、

ロープクライミングの場合はビレイヤーはソフトキャッチするように勉強・練習を重ねることが重要です。




捻挫は、医学的には足首の靭帯の損傷です。


「ひねった」と思ったら、その場でできる基本の処置はRICE(ライス)です。


R:Rest 安静

I:Icing 冷却

C: Compression 圧迫、固定

E: Elevation 挙上


それ以上の活動は中止し、テーピングなどで固定する。

できるだけ冷やして挙上しておく。


これは、広くケガの一般処置として有効な手段です。

そして、必ず一度整形外科を受診しましょう。


くれぐれも、だましだまし登るようなことは避けてください。


靭帯の損傷はしっかりと治療期間を設けないと、いわゆる「クセ」になります。

ちょっとした日常動作でも捻挫を繰り返すようになります。


専門家の指示に従って、しっかり直しましょう。



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特定のノウハウや治療法を推奨するものではなく、最適解は状況により異なります。

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