2025年10月17日金曜日

熊鈴の効果 クマよけ鈴は携行してはいけません ヒグマ対策 北海道


2025年9月26日
札幌市西区でヒグマに襲われる事件が発生。札幌市ではヒグマ注意報が発出されました。注意しましょう。

【はじめに】


クマは、ツキノワグマとヒグマがいますが、今回は北海道のいるヒグマを対象としています。

現在も熊が現れるたびにニュースになるため山には熊がいて危険と考える方も多いと思います。

北海道でも痛ましい事故が起きています。
・2023年 北海道南部の大千軒岳で男子大学生がクマに襲われ死亡
・2025年8月 羅臼岳で男性が襲われ死亡

少しでもクマ被害を減らすために、北海道野生動物研究所の門崎氏から直接いただいた情報および、筆者である山のまこちゃんの10年以上の登山経験、ドローンによるヒグマ調査経験をもとにクマ対策についてお話ししていきます。

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【熊鈴はいらない】


登山をはじめると考えるのが熊の問題。

登山用品店に行くと必ず売っている熊鈴。山に行くには必ずこれが必要だと思う方も多いでしょう。

しかし、クマ鈴は携行してはいけません。これはずっと鳴らしっぱなしのラジオも同様です。

理由は・・・

熊の警戒音に気づけない(気配に気づけない)

クマ鈴やラジオを常に鳴らしていると、周りの音を聞くことができなくなります。
そもそも、風が強い日や沢だと殆ど音が響かない。

鈴の音は、熊にしたら聞きなれた音です。むしろ人間だと認識されていて、地域によっては熊鈴をつけているほうが寄ってくるという話しも聞きます。

そして、筆者自身、クマ鈴を鳴らしていても熊に遭遇したことがあります。

そのため、私は同行者に熊鈴を持っている人がいるとザックにしまうか置いてくるようにお願いします。

熊鈴は、自分より遅い人を抜かすための人避け程度にしか使えません。じゃらじゃら鳴らしていてれば人間には自分の存在をアピールできます。


【熊対策について】


・1.熊撃退スプレー(中距離用)は有効なのか?






いわゆるクマよけスプレーは状況が良ければ使えます。

利用条件は、クマが風下側にいる場合です。

しかし、クマが風下側にいる場合は、人間の匂いに気づくので普通は熊がよけます。

そのため、クマに遭遇するのは、クマが風上側にいるときの確立が高いでしょう。
このとき、クマスプレーを噴射すると自分にかけるようなものです。

そのため、価格と重さの割にはあまり効果がないと言えるでしょう。
しかし、メンタル部分での安心感が半端ないので、安心感を求めるなら購入されてもいいかと思います。

近年は熊被害多発により、各社より価格もお求めやすいものがでてきました。中距離用のアイテムとして後述するホイッスル(遠距離)、ナタ(近距離)に続くアイテムとして装備を整えるのが良いと思います。







1.ナタ(近距離用)は有効



熊よけスプレーは高すぎる。。。という場合は接近戦になった場合に備えてナタを携行することをお勧めします。
万が一、クマに襲われたときの唯一の反撃手段として使います。
一撃を与えれば熊がびっくりして逃げたという事例はたくさんあるため、安くてかつ有効な手段と言えるでしょう。
そしてこれも持っていると安心感があります。

ビバークが必要になったときの焚き火用の巻き割りとしても使えます。ナイフの代わりにもなります。




【最も手軽で勝つ有効な熊対策】


熊鈴ではこちらが警戒音に気づけないため、時々自発的に大きな音を出せば熊はびっくりしてこちらに気づいて避けてくれる確率が高くなります。

大声を出してもいいのですが、疲れますよね。

だから大きな音がでるホイッスルを持つと便利です。

ホイッスルは、軽くて安くて手軽に対策できる有効手段です。
そして登山の装備として救助を呼ぶためにも使えるので基本的にホイッスルは必須装備です。

100円でもありますが、多くの笛は大きな音がでず、水に濡れてしまうと音が出なくなるのが欠点です。

こちらのFox 40ソニックブラスト(遠距離用)はとても大きな音が出て、水に濡れても音がでます。

熊の不安がある方は購入されることを強くお勧めいたします。






2025年の熊出没頻度が非常に高く、各地でキノコ取りをしている方が熊に殺される事件も起きています。そのため、さらに安全確保するために、爆竹を用意しましょう。
爆竹は、実際に猟師も利用する手段です。


爆竹

取り扱いが少し面倒ですが、強烈な音と匂いで安全確保に最適です。

セットでターボライターも用意しておきましょう。山で複数人で入った時に各自使えるようにするために複数個のターボライターがある方が良いでしょう。

ターボライター





こちらの動画でも紹介しています。





関連動画



関連動画 2025年9月27日



2025年9月27日一部改訂
2025年10月15日一部追記

情報元はこちら
北海道野生動物研究所 所長:門崎允昭氏(農学博士、獣医学修士)


2025-26 北海道札幌雪崩講習会のお知らせ 雪崩講習 山のまこちゃん

 



2025-26 雪崩講師、山のまこちゃん雪崩講習勉強会のお知らせ


【開催日】 いずれか希望の日で1日の講習をします。

・2025年

12月20日

12月21日


・2026年

1月17日

1月18日

2月7日

2月8日

3月7日

3月8日


【時間】9:00~15:00

【場所】 中山峠または札幌近郊(参加者と天気など考慮して決めます)

【参加費】5000円

【定員】7名(各開催日)

【持ち物】 ※レンタルは行いません。全て持参してください。

・雪崩ビーコン(デジタル3本アンテナ、マーク機能付)

・ショベル

・プローブ

・スノーソー(なくても参加可)

・冬山で、深雪の中でも1日行動できる雪山装備一式(激しく動き続けないのでカイロやダウンなど多めに)

・行動食


【内容】

グループチェック

積雪観察(CT、ECT)

プロービング

シャベリング

雪崩コンパニオンレスキュー


【免責について】

参加される方は予め山岳保険、賠償保険など加入してご参加ください。事故・怪我の保険は参加費に含まれておりません。

山岳エリアは悪天・落石・崩落・雪崩など自然フィールドで起こりうるリスクを含み、その環境のなかですべての危険要素を排除回避することは困難です。リスクを含んだうえでの参加となることを十分理解し、ご本人、ご家族の了承のうえで参加表明、意思として参加をお受けさせていただきます。

気象・その他不可抗力の事由によりコース変更・中止、延期判断もあります。

現地での主催者の判断指示に従い行動願います。



【参加者には事前にオンライン教材をご覧いただきます】


※参加者にお知らせします。


【申し込み】

こちらのフォームよりお申込みください。



2025年10月11日土曜日

2025年-26年シーズン 11月 無積雪期 雪崩セルフレスキュー講習会 札幌 バックカントリーでの雪崩事故から仲間を助けるために必要なこと

 

秋季雪崩ビーコン捜索&セルフレスキュー訓練講習


・主催:北海道Mountaineers

参加費:3000円(当日現金で回収します)

日程:2025年11月9日

日時:8時〜12時

場所 藻岩山スキー場または札幌市内の公園

講習内容:積雪前に、雪崩ビーコンの操作、捜索方法の手順やコツの訓練。雪山で怪我人が出た時の移動方法のセルフレスキュー訓練を行います。ロープを使ったレスキューも訓練。


【訓練概要】雪崩トランシーバーサーチ訓練

[1]シングルグループチェック、ダブルグループチェック

[2]雪崩トランシーバーサーチ

[3]プロービング

個人装備:雪崩トランシーバー、プローブ、防水袋(雨天時)


【訓練概要】HMセルフレスキュー訓練 ※雪崩を中心で余った時間で行います。

[1]搬送

[2]低体温症ラッピング

[3]簡易ハーネス、簡易懸垂下降

[4]ロープワーク

[5]1/3引き上げシステム

[6]1/5引き上げシステム


参加希望者はこちらのフォームよりお申し込みください。