2019年2月26日火曜日

アイスクライミングの注意点。けが予防のために



2019年からはじめたアイスクライミング。まだ5日ほどしか経験がありませんが、諸先輩の方々より聞いたアイスクライミングの注意点について備忘録として残しておきます。


1.失明に気を付ける


アイスクライミングでは、登っている最中やビレイをしている最中に氷の塊が落ちてくることが多々あります。そのため、裸眼のままでは氷の塊が目に当たり、失明する恐れがあります。
また、バイルを引き抜く際に、目に当たってしまい実際に失明する事故も起きています。
そのため、どんなときでもサングラスやゴーグルをすることは、アイスクライミングでは必須となります。

2.バイルを狭い範囲で打たないこと



バイルを打つときに狭い範囲を打つと、体を引き上げるときに、バイルが顔に当たります。先ほど通り目に入ると失明の恐れがあります。
目に当たらなくてもオデコや頬を傷つけてしまいます。
顔を傷つけることになってしまうため、狭い範囲で撃たないようにしましょう。

3.ドライロープを使用すること





初心者なら気にする必要はないかもしれませんが、ドライロープを使用しないと、滝から出た水分でロープが凍ってしまい、ビレイデバイスに噛まなくなります。
そうすると万が一落ちたときに止めることができずにグランドフォール(地面に落ちる)可能性が高くなります。
アイスクライミングでは必ずドライロープを使用しましょう。




2019年2月25日月曜日

【冬山】小喜茂別岳 南西尾根コース 【バックカントリー】 BC

山頂直下の比較的オープンな斜面
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山:小喜茂別岳(こきもべつだけ)
標高:970m
活動距離:5.9km
高低差:480m
累積標高上り 累積標高上り 580m / 582m
往路コース:南西尾根コース
復路コース:南西尾根コース
登り:2時間
下り:30分
体力度:★★☆☆☆
危険度:★☆☆☆☆
オススメ度:★★☆☆☆
レベル:初級

トイレ: 道の駅 望羊中山
トイレMAP:https://goo.gl/maps/ZXajxM3qF6U2

登山口駐車場:黒川橋脇の車両待避所
登山口駐車場のGoogle Map:https://goo.gl/maps/MeMcEPShH7M2

※上が未除雪の場合の登山口駐車場:https://goo.gl/maps/EEqQYQJGjaM2

温泉:湯元小金湯温泉まつの湯(600円)
温泉URL:http://www.matsunoyu.co.jp/
温泉 MAP:https://goo.gl/maps/fLtZnERvEGy

YAMAP:https://yamap.co.jp/activity/3157860 (2019/02/23)
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 小喜茂別岳(こきもべつだけ)は中山峠の南側にある山で札幌近郊でバックカントリー初心者向けなお手軽な山である。この山は通称:「ポンキモベツダケ」、「ポンキモ」と呼ばれている。「ポン」はアイヌ語で「小さい」という意味のため、小=ポン、「ポンキモ」と呼ばれている。冬にしか登れない山だ。
 この山は駐車場からスキーをもって5分ほど歩かなければいけないのが少々不便。だが、分かりやすい尾根と緩やかな傾斜で初級者向けの山となっているため、バックカントリー初心者にオススメしたい。ただし、傾斜が緩やかすぎるため深雪のときは滑りは快適とは言えない。雪が締まった3月が良いだろう。木が多いためヘルメットは必須装備としたい。
途中傾斜がゆるい箇所があるが、ボーダーにも人気な山だ。
 コースは南西側の尾根から登るルート一つのみとなる。








駐車場

駐車場から道路横を行く

道路横を歩く

橋を渡る

カーブ手前で乗り上げる

乗り上げてやっと出発

尾根

非常に緩やかなな尾根



樹林帯を進む




晴れていれば、尻別岳や羊蹄山が見える

傾斜が緩やかな広い尾根

山頂
木が多くて景色はあまりよくない


山頂直下の比較的オープンな斜面


動画はこちら












2019年2月18日月曜日

山スキーの兼用靴でお悩みの方へ



山スキーをやっていると、兼用靴(スキーブーツ)での外反母趾やない半星、靴擦れ、足の冷え等トラブルが多いです。

外反母趾により兼用靴で辛すぎて山スキーをあまりやりたくないという方もいます。

せっかく何十万もかけて買った装備がそれではもったいないですよね。

そんなお悩みを解決するお店が札幌にあります。

モイワ山荘です。

〒064-0913 北海道札幌市中央区南13条西23丁目5−15

【営業時間】

月曜日 10時00分~19時00分
火曜日 10時00分~19時00分
水曜日 定休日
木曜日 10時00分~19時00分
金曜日 10時00分~19時00分
土曜日 10時00分~19時00分
日曜日 10時00分~19時00分


実際に僕が行ったわけではないため、詳細は記載できませんが、ベテランの方より兼用靴で悩んだらココに行け!と言われました。

ただし、ここは初心者が行くところではなく、ある程度経験した中級~上級者でないとあまり問題は解決できないと思います。

兼用靴でどこに行っても解決しない!という方はぜひ一度行ってみてください。

僕も行ったら追記します。




2019年2月15日金曜日

冬山でよくある失敗 Part 1 バックカントリー山スキーでの注意点


登山でよくある失敗シリーズは動画でやっていますが、「冬山、雪山限定のよくある失敗」があることに最近気づきました。

雪山限定でのよくある失敗シリーズがないので動画作ろうと思っていますが、先にブログから記事を書いていきます。


1.雪の上に物を置いて無くしてしまう



 雪山でフカフカの新雪が積もっているときによくある失敗です。
これはザックを置いた休憩時にありがちなのですが、ものを出し入れしているときについ雪上にものを置いてしまうことがあります。
 そのとき大丈夫と思っても、目を離すとすぐに雪の中に消えてしまいます。新雪の中からものを探すのは雲をつかむようなもので、見つかることはほとんどありません。
 僕もついついマップケースを一度おいて休憩したら、なくなってしまい、マップケースを紛失してしまいましたTT
 人から聞いた話しだと、手袋、シール、シールのカバー、スノーソー等、多くの人がありとあらゆるものは無くしているエピソードは本当によく聞きます。
 どんなに手間でも、物は雪上のは置かずに、必ずザックの中に入れるようにしましょう。


2.スキーを流してしまう、無くしてしまう




以前、こちらの動画でも紹介しましたが、スキーリーシュは雪山では必須です。




 フカフカの新雪で板がはずれてしまうと、本当になくなります。スキーなんて大きいもの無くすわけがないと思いますが、無くすのです。
僕以外にもかなりの方が同じような失敗を経験しています。スキーをなくすと場合によっては遭難です。スキーリーシュを付けていない人は今すぐ用意しましょう。





 なお、スキーリーシュを付けていてもシールをはがして滑走モードにするときや、スキーアイゼンをつけるとき、シートラするときにスキーを置いた後に流してしまうパターンもあります。
 「そんなの分かっている」という声が聞こえてきそうですが、疲れているとつい油断して置いて、スキーが流されてしまうのです。これも春の暑寒別岳で経験済みですTT
 傾斜がゆるくなり、たまたま泊まってくれましたが谷底に落ちたら見つからない場合もあります。これも下手をすると遭難です。

これを防ぐには、必ずスキーを雪面に突き刺して立てることです。雪面が硬くてさせない場合はスキーリーシュをザックにつないでおく等、十分な注意が必要です。


3.登山口でスキーのシールを忘れたことに気づく


このパターンもよくあります。自分もやったことがありますし、やっているのを見たことも聞いたこともあります。
 シールがないと登れないため登山口で撤退となります。
 これを防ぐためには、スキーを車に積む時点でシールを貼っておくことです。シールを貼るとワックスを吸ってしまうという意見がありますが、わずか数時間なんてほとんど影響ありません。
 それに、登山口でシールを貼ると、気温があまりに低いときにはシールが貼りつかなくなります。吹雪のときもシールと板の間に雪がついてしまって行動中にシールがはがれやすくなります。
 時短とトラブル回避のためにも、車に積む時点でシールを貼っておく習慣をつけておくと間違いないです。


冬山でよくある失敗シリーズの動画


・Part 1


・Part 2




2019年2月8日金曜日

大滝のニョロニョロ洞窟 氷筍(ひょうじゅん)ツアー



 大滝のニョロニョロ洞窟といえば知る人ぞ知る秘境の洞窟として登山をされる方には有名な観光スポットになっています。
 この観光スポットですが、現地で地元ガイドの方とトラブルになる方が多いと聞き、調査をいたしました。

 地元ガイドのWEBサイトによりますと、

「大滝氷筍へのアプローチする雪原は私有地で農地です。地権者は侵入を望んでいません」

という理由により、進入するのは不法であるとして追い出されたり、怒られたりしているようでした。これらの話しは実際に行った方から多数聞いています。

現在はネットでルート情報が多数公開されており、簡単にいくことができます。駐車場所やルートを知らないで行くと、現地で不快な思いをするかもしれません。また、近隣住民に迷惑をかけるかもしれません。
 
そんな不幸をなくすために、現状と対策を考えてみます。

 この件について現地でトラブルを体験した方の話や、「伊達市 大滝総合支所」の方に問い合わせをさせていただきました内容をもとに作成しております。
  

 【私有地への進入について】

現地の写真。この看板の近くには駐車しないようにしましょう

登山者ための法律入門」によりますと、日本の登山道とされる、多くの場所は、必ず誰かの土地(国や市、私有地)となっており、多くの登山道やクライミングスポットは「所有者が黙認」しているためになりたっている状態とのことでした。
 土地の所有者が安全やゴミ問題を理由に「進入禁止」にすれば、土地所有者の許可を得なければ進入できないことになります(これもケースバイケースで法律的は細かいことを言えば簡単に進入禁止にできないようなので、詳しくは登山者ための法律入門をご覧ください)

 長くなりましたが、完結に言うと、土地所有者によって「立ち入り禁止」や「進入禁止」の看板を掲げていれば、進入してはいけないことになるようです。

 なお、国や市が保有しているいわゆる公有地は特別保護区等の特別な理由を除き、基本的に進入禁止になっていることはないようです。(進入禁止の場合は看板があります)

 【ニョロニョロの洞窟は誰の土地?】



 大滝 百畳敷洞窟(通称:ニョロニョロ)は「市有地」であり、市もこの場所の見学を禁止はしていない状態とのこと(伊達市 大滝総合支所の方に確認)
 この禁止していないというのは「市が許可を出した」とすると、事故があったときに管理責任が問われるため、市は禁止はしておらず、許可もしていないという状態になっています。(これは日本の多くの登山道で同じような状況で、一言でいうと黙認している状態です)

 つまりこの場所だけで考えたときに行ってもよいということになります。

 【問題のアプローチルートは誰の土地?】


こちらも伊達市に確認したところ、「畑」を通るルートは私有地だが、以下のルートは「市有地と国有地のみで民有地は含まれていない」とのことです。

 これはつまり、市や国が侵入を禁止しない限り通っても問題のないルートとなります。
 ただ、市が許可しているわけではないため、「公有地であることを確認したので、自己の責任において通過した」ということになります。
 ※繰り返しますが、市が許可したとなると事故の際に管理責任が問われるため市が許可を出しているわけではりません。

ルートの概要図


 【じゃあ本当に大丈夫??】



結論は、先ほどのルートを通る場合は「自己の責任において」大丈夫でしょうということになります。

 「登山者ための法律入門」によると、問題のないルートでも登山者のマナーが悪くて近隣住民に迷惑をかけることがあり、それにより土地の所有者が侵入を禁止すれば行けなくなることもあり得るということです。つまりクレームが多発して市が対策をすると「立ち入り禁止」になる可能性があります。
 そのため、皆様には駐車場の停め方のマナーや、ゴミ問題には十分注意していただきたいと思います。
 また、地元ガイドツアーの方がくる時間は午前9時〜11時、と午後1時〜15時のため、その時間以外にいくと団体客がいなくてゆっくりできるようです。


【冬山登山経験のない方は気軽に安易に行かないようにお願いいたします】


 先ほど大丈夫と申し上げましたが、冬山登山経験のない皆様が行かれる際はガイドまたは経験者と同行するようお願いいたします。
 この洞窟に行くルートも登山と一緒です。冬は多くの危険が潜んでいるため軽装で行くと凍傷や低体温、道迷いも考えられます。そういった事故があると禁止されてしまう場合がありますので十分ご注意をお願いいたします。


【最後に・・・登山者のための法律の本のオススメ】


こちらの本は一般的な夏山登山のみされる方を除く、岩登り、沢登り、藪漕ぎ登山、冬山登山、バックカントリーをされる方には必読であると思います。ぜひご一読ください。





【参考サイト】 

マービー先生とハナスちゃんのちょっと寄り道ブログ

OOTAKI OUTDOOR ADVENTURES

YAMAP:https://yamap.co.jp/activity/3085523

遊びに行ったときの動画はこちら




道南にもニョロニョロがあるです。今後調査予定。参考リンク



2019年2月6日水曜日

スキーのケガ予防について 前十字靭帯断裂の予防




バックカントリー、山スキーで怪我をする人はけっこういます。

よく聞く怪我は以下の通り

・骨折

・前十字靭帯断裂

このうち、骨折は聞いた話しと自分の体験では主にスピードの出しすぎが原因と思われます。
私の場合は立ち木衝突による右ほほ骨骨折。
そのほかにはスピードを出しすぎで急なターンや急停止をしようとした結果、足の骨を折るというのも聞きます。

これらはスピードを抑えれば防ぐことができるものなので、比較的予防がしやすいです。


 その一方、予防しにくく、スピードを出さない方もやってしまうのが「前十字靭帯断裂」。膝のあたりにある靭帯です。

専門家ではないので、細かい話しは避けますが、こちらの研究と知人の理学療法士とに聞いたところ、絶対予防する方法はないけど、できるだけ予防する方法は以下の二つがポイントとのこと。


1.後傾にならない



ビビってものすごく後継になっている滑りを初心者の多くに見ます。
後継になると板が暴走してコントロールできなくなり、不安定になります。そしてコケます。
そのため、怖いかもしれませんが、とにかく後傾にならないように体を前に出す用に心がけると多少は改善されると思います。


2.転びそうになったときに頑張らない(すぐにコケること)



転びそうになったときには思いっきりコケましょう。
ここで頑張ると前十字靭帯断裂ということもあり得ます。こうなると手術が必要になり、そのシーズンの山スキーは終わってしまうことでしょう。


【事故の事例】

最後に僕が見聞きした今までの前十字靭帯断裂の事故事例をメモとして残しておきます。

・深雪の湿雪で無理やりターンをしようとして前十字靭帯断裂

・スキー場でウォークモードのまま滑って転倒。スピードはけっこう出していた。

・雪庇をジャンプして前十字靭帯断裂

・アイスバーンで止まれなく踏ん張ったままとなり、凸凹の斜面で乗り上げて空中大回転中に前十字靭帯断裂


【関連記事:バックカントリー山スキーをするにはやっぱり滑りの練習が大事



2019年2月5日火曜日

バックカントリー山スキーをするにはやっぱり滑りの練習が大事



バックカントリー、山スキーをするにはやっぱり滑りの練習が大事だと痛感しています。

約3年前の2016年11月4日から始めた山スキーですが、最初の頃は滑りがいまいちで山に登るのがメインで下りは「速く降りることができるだけ」と考えていました。だから滑るために登り返すなんて基本していませんでした。

一番最初の山スキー動画



 しかし、2019年は2018年12月からスキー場に頻繁に通い、知人の準指導や指導員免許のある方に教えてもらいながら練習したら自分の中ではかなり上達したと実感してきました(実際かなり上達したと褒められました)
そうなると滑りが本当に楽しくて、天気が悪くても雪がよければよし!と考えるようになりました。
 
スキー練習は、一人でするよりも「指導のプロ」にに教えてもらうのが一番で、むしろ一人でただひたすら練習してもほとんど成果はありません。
 知人の指導員の方も時間と費用を考えたときに、お金を払ってでも指導のプロに教えてもらうのが、時間が少なくて済むので最終的にお得と言っていました。
 じゃあどうすればいいかというと、毎回レッスン費用やリフト券を買うのは大変なので、シーズン券とリフト券がセットになったものがお得です。
 例えば手稲山だと8万5千円でシーズン券とレッスンがセットになっています。周りに一緒に練習する仲間がいない方はこれがかなりお得だと思います。
 ただでさえ山スキー装備にお金がかかって大変かと思いますが、以下のようなことになりたくない方はしっかり練習していただければと思います。



【どうしてもスキーレッスン代が厳しい方には】


現代にはYouTubeという強力な学習ツールがあります。

ゲレンデで自主練したいという方のために、普段利用しているおすすめ動画をご紹介します。


⑴正しい姿勢

まだまだ未熟な私ですが、後輩の山スキーヤーにゲレンデレッスンをするときはまずはこの姿勢の練習から始めます。



⑵「たわみ」で曲がる練習

これも非常に大事なこと




⑶腰を外さない練習



まだまだありますが、とりあえず上記の三つをちゃんとやるだけでも上達すると思います。


おまけ

ターンの仕上げ




不整地のターンの仕方



【関連記事:スキーのケガ予防について 前十字靭帯断裂の予防

2019年2月4日月曜日

バックカントリー、雪山、冬山で最強の手袋




バックカントリー、冬山、雪山登山では末端である手足の冷えが課題です。
足については「バックカントリーで最強の靴下の組み合わせ」にて紹介しています。

今回は手の冷え解消する方法について考察します。

はじめに・・・

【テムレス最強伝説は本当か?】

冬山で最強の手袋といえば、テムレスがよく知られています。真っ先にこちらの商品を思い浮かべる方も多いでしょう。
業務用の手袋で、当初は青しかありませんでしたが、あまりのダサさに登山者の要望があり、ブラックが誕生しています。




このテムレスは「蒸れ」には確かに強いです。

しかし、寒さには弱いです。
透湿性が高いために、厳冬期の極寒のー20度とかいく寒さでは耐えられないのです。
これはアウターシェルにも言えるのですが、透湿性が高いと寒くなりやすくなります。

実際、寒い環境でテムレスをつけている方で、手先が冷たくなって苦労されている方をよく見かけます。

そしてこの商品は手袋がスッポ抜ける構造になっており、山でアクシデントがあった際に抜ける可能性があります。手が凍傷になるリスクがとても高いのです。

また、主にアイスクライミングの話しとなりますが、ザイル(ロープ)とともにビレー器具に手袋が巻き込まれることがあるため、赤岳鉱泉のアイスクライミングで使用禁止になっています。

・使うなら春山や低山

この商品はとても良いのですが、比較的気温が高い春山、低山のハイキングの汗を大量にかく場面では活躍します。ゴムで防水性非常に高いため、春の濡れた雪でも中が濡れてくることはまずありません。


【ニトリルグローブが最強】


前置きが長くなりましたが、今回紹介するのはニトリルグローブです。

手袋をつける順番は以下の通りです。

ニトリルグローブを一番最初につけます。
次にインナー手袋をつけます。
最後にアウターグローブをつけます。

このニトリルグローブを一番下につけることによって、手汗からくるインナーやアウターの手袋の濡れを防止します。そのため透湿性が必要ありません。

そしてニトリルが外気と壁を完全に作っているので驚くほど暖かくなります。

実際、厳冬期の天塩岳の最低気温ー24度の中で使用してみましたが、アウターの手袋をつけると熱いくらい。ほとんどがニトリルとインナー手袋で事足りました。

実はこの方法は高所登山でも使われる方法で、高所登山経験者ならご存知の方もいるかもしれません。

バックカントリーで最強の靴下の組み合わせ」のアルパインクラマーソックスと同じように外側の手袋を濡らさないので下山後に手袋を乾かす手間もありません。

デメリットとして考えれれる手のが濡れてびちゃびちゃになることですが、思っているほど濡れません。臭いも気になりませんでした。

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ちなみにこれはVBLと呼ばれるもので、Vapor Barrier Linerの略となります。

VBLの効果は以下の通り

1.人間の皮膚は100%湿度が飽和して蒸れている状態では、それ以上汗をかくことがなくなる。そのため、汗の蒸発による冷えを防いでくれる

2.手袋が水分(=汗)で濡れるとそれが凍って冷えの原因となることを防いでくれる

つまり、防水性のものを手足に履き、衣類側に水分を放出しないようにするという仕組みです。
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ニトリルといっても種類がありますが、基本的に使い捨てで、一番下につけるものなので薄手の使い捨ての安いものが良いでしょう。