2017年1月6日金曜日

山スキー入門3.山スキーに必要なギア、装備


【山スキー入門3 バックカントリーへの道】-山スキーに必要なギア、装備-



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銀山BC





山スキーに必要な道具はたくさんあります。

【スキー板】




スキー板は基本的にはアルペンスキー用のものと同じと思っていいでしょう。
どのようなスタイルで行きたいかによって大きく好みが分かれます。
滑走重視か、登り重視か、パウダーでの滑走重視でロッカーがかなり入っているものやファットスキーにするか等々。。。

滑り重視の方はそこの知識は豊富だと思うため、私のように登り重視の視点で話しましょう。

シンプルにいうと、「どこでも滑ることができるオールマイティーな板」がいいです
買うときには店員さんにこのように伝えればいいものを紹介してくれるでしょう。

滑り重視にすると板が大きくなったり、ロッカーが前後に入っているタイプのものがあるますが、山では新雪ばかりではない。カリカリのクラスト斜面では、ロッカーがかなり入っている板だとかなりの技術がないと滑るのが困難な場合があります。

また登り重視過ぎても、新雪を滑るときにかなり苦労する。とくにスタイルが決まっていない場合は、オールマイティーな板であれば問題ないでしょう。。

【ビンディング】

山スキーは専用のビンディングが必要です。
歩行・登高モードでかかとを開放した状態に、そして滑降モードのかかとを固定した状態への切り替え機構が必要です。
これも様々なタイプのものがあり、滑走重視タイプ、登り重視タイプと分かれます。

・TLTビンディング


私はTLTと呼ばれる以下のようなものを使っていますが、慣れるまではけっこう時間がかかります。
軽いのが特徴ですが、専用のブーツが必要となります。普通のスキー靴は使えません。







・ATタイプビンディング


滑走重視もしくは価格を抑えたいならATタイプと呼ばれる以下のようなタイプのビンディングがあります。※TLTに比べて重いですが、通常のスキー靴も使えて価格も安い。





【ブーツ(山スキー兼用ブーツ、ツアーブーツ)】







スキー靴と登山靴の中間的な存在で、登りの時は可動域が多くて登りやすく、下るときもスキー靴のように固定してくれます。
その兼用靴の中でも登り重視で軽いものか、滑り重視でしっかりした作りで重いものかに分かれてきます。

一つ大事なことがあって、軽いものを選ぶと確実に足が冷たくなります。軽くするために保温材等が薄く作られているために、保温性が低くなるのです。室内で履いてもわかりませんが、山にいくと苦痛な思いをします。
私が使っているスカルパのF1 EVOは軽くて、可動域も広くて登りには最適です。
しかし、いつも一人だけ足が冷たい思いをします。これはかなりの苦痛です。
とくにゲレンデでリフト待ちをしているときなんかは耐え難い冷たさです。
だから買うときには多少重くても保温がしっかりされそうなものを選ぶことを絶対にお勧めします。

※ビンディングによっては通常のスキー靴を使える場合がありますが、足首が動かなく登りには向いていません。通常のスキー靴で登るのは圧倒的な体力が必要なため安価ですがオススメできません。

【シール】






スキンとも呼ばれています。
スキーのソールにつける滑り止めの毛皮みたいなもの。
シール(seal)とは英語でアザラシのことですが、昔のシールは本物のアザラシの毛皮で作られていてその名前だけが今も残っています。毛の生えている向きが一定方向のため、前には容易に滑りますが、後には毛が雪面に引っかかり滑らない、というものです。
これにより、スキー板を履いたまま登ることができます。
また山では登りだけではなく途中で少し下ることもありますが、そこでシールをつけたまま滑っていけるのでスノーシューと比べてスピードが圧倒的に違います。

※2019年3月に追加した初心者向けの装備紹介もあります。
山スキー初心者にオススメなスキー板、ビンディング、シール ブーツ バックカントリースキーの初心者向け装備



【スキーアイゼン(クトー)】




各ビンディングごとに別売りになってるもので、スキーに取り付けるアイゼンです。
クラストした堅い斜面を登るときに、シールだけではスリップしてしまいます。
その時にこのスキーアイゼンをつけると歯が食い込んでスリップを防いでくれます。

※一つ買えばどのビンディングにでも使用できるわけではありません。必ず専用のものが必要になります。

【ザック(バックカントリー用)】




ザックは冬用のものを用意します。夏用との違いは以下の4つです。

・雪崩対策用のショベル、プローブ、スノーソーを入れる専用の荷室がある

・スキー板をザックに取り付けたままでも荷物が取り出しやすいようにバックパネルオー
プン機能がついている

・スキー板やボードを取り付けることができるようになっている

・ゴーグルを入れる専用の荷室がある

※ものによってはヘルメットホルダーがついているものもあります。

軽い山にだけなら小さくても問題ありませんが、アイゼンを使うようになると40Lは欲しいところです。

アイゼン使うところにはたぶん行かないという人には以下のような30Lくらいのものがオススメです。




・ヘルメットホルダー


ザックにヘルメットホルダーがついていない場合でヘルメットを持って行く場合は以下のようなヘルメットホルダーを用意しましょう。





【ストック】



夏用のストックでもスノーバスケットを取り付ければ大丈夫ですが、できればバックカントリー用のストックを用意した方がいいです。
バックカントリー用は、ストックで山スキーのビンディングを操作できるようになっています。

【スコップ(スノーシャベル、スノーショベル)】



これは雪山の必需品です。弱層テストのときや雪崩埋没者救出、緊急ビバーグ時の雪洞掘り用に使います。スコップとして使うときに足で蹴りこみできるように直角のものを選ばなければなりません。撫で肩のものは蹴りこめないため不可。理由は、デブリは固く締まっているため蹴りこまないと掘れないことがあるためです。

【ビーコン(雪崩トランシーバー)】



電波の発信及び受信が可能な雪崩ビーコンという機会です。胸元にとりつけておくことで雪崩に巻き込まれて埋没しても、ビーコンを各自もっていればどこにいるのか特定することができます。
バックカントリーの必需品です。

【ゾンデ(プローブ)】




約3mの長さにまでできるメモリがついている棒です。
ビーコンである程度場所を特定したらゾンデ棒で雪に刺して埋没者がどこにいるのかを特定します。
雪洞を掘るときにもどのくらいの深さがあるのかを特定するために使います。
北海道は積雪が多いため3mが必須です。

【スノーソー】



最低でも、刃渡り30cmが必要。主にピットチェックのときに使用します。
雪洞でのビバークや、雪山テント泊の風よけブロック作成時にも役に立つ。
基本的に必須装備。専用のものは高額のため、通常のノコギリでも問題ありません。安いものだとシルキー ゴム太郎がオススメです。

【笛、ホイッスル】 



あまり使うことがないですが、万が一吹雪になった場合には声が響きません。また、スキー滑降中はかなり距離が開くこともあります。
そのため、大きく響く笛があると心強いです。FOX40のソニックブラストは大音量のためとても響きます。※似たような商品がありますが、「ソニックブラスト」が大音量

【無線機(あると便利なアイテム)】



 スキーやボードで滑ると思っていたより距離が離れて意思疎通がとれなくなることがあります。登りでも力量差が大きいとパーティーが前後に分かれしまうこともあります。
そんなときに意思疎通がとれるように無線機があると安心です。

※パーティーは基本は離れないようにすべきではあります。

・標高の高い山の山頂に立つためには必要になる装備


標高が高い山の山頂付近カチカチで山スキーでは登れないことがあります。
そのような場合はスキーをデポ(置いておく)するか、シートラーゲンと呼ばれるスキーをザックに取り付けて担いで登ります。


【アイゼン】




兼用靴につけるワンタッチアイゼンです。
10本〜12本の平爪のものが必要です。必ず兼用靴と合うかどうか確かめましょう。
外れたら死にます。

こちらの記事にてアイゼンについて詳細を記載しています。

【ピッケル】




雪山登山で使うピッケルです。滑落停止や杖として使うために使います。
ストックで足りることが多いため、よほど硬い雪面でなければ使いません。
ストックが刺さらない硬いところになってようやく活躍します。


以下動画でも紹介しています









こちらの記事では「板、ビンディング、シール、ブーツ」にフォーカスして作っています。
山スキー初心者にオススメなスキー板、ビンディング、シール ブーツ バックカントリースキーの初心者向け装備


次は「4.冬山に必要な服装とレイヤリング」について


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