2016年9月28日水曜日

登山の熊対策について

2019年に起きたカムイエクウチカウシ山(通称カムエク)の事件をもとに、の2019年8月26日更新

私が考えるヒグマ対策について以下の通りまとめた。

【野生のヒグマとの遭遇体験】

写真の車のあたりで熊に遭遇
私は北海道富良野西岳のスキー場コースを下山中に遭遇したことがある。その時は二人組。

数メートル先の笹薮からガサガザと音を立ててやつは現れた。小熊だった。
小熊は立ち上がりこちらを見てくる。身長は150cmくらいだった。
私たちは恐怖で頭が真っ白になり、お互いの顔を見合わせた。
私は「小熊がいるということは、近くに親熊がいる。母熊に見つかったら確実に攻撃される」と思い、
とにかくダッシュで登りかえす道を選んだ。
「逃げよう!」そう言って一緒に逃げた。全速力で。
幸い、小熊を追ってこなかった。

息を切らしながらしばらく登って後ろを振り返ると、
小熊の20メートルほど先で、体の大きな親熊と思われる熊がこちらをずっと見ていた。
すでに100mは離れていたと思う。

ちなみにこのときは熊鈴をつけて鳴らしていた。


【クマ撃退スプレーは効果あるのか?】



まずはじめに思いつくのはこれだろう。

効果はあると思う。

ただし安全に使用できる条件を満たした場合のみ。安全な条件とは熊が風下側にいて、3m以内にいる場合だ。
しかしこのような状況はまずない。これはプロの山岳ガイドも言っていたことだが熊が風下側にいれば通常は熊から避ける。そのため熊と出会ってしまうのは熊が風上側にいるときだ。
風向き次第では自分に被害がおよぶ。目に入ると失明する可能性もある。少しでも吸うと呼吸ができなくなる。肌に付着すると皮膚が炎症を起こす。非常に危険な武器である。


【具体的な対策は?】


私が考える対策は以下の通りだ。

・笛で時々大きな音を立てる

・ナタを携帯する

これは、クマに関する資料やWEBサイト、本を調査した結果一番信頼性が高いと思った門崎允昭所長による以下サイトの資料を参考にしている。とくに「2019年8月の92号」では改めて上記の内容が説明されている。

北海道野生動物研究所

2019年8月北海道熊研究会会報第92号



「・笛や指笛で時々大きな音を立てるについて」


・熊との遭遇を防ぐ(予防)

熊との遭遇体験をして思ったのは熊鈴はあまり意味がなかったのではなかと思う。
熊鈴は自動的に音を鳴らしてくれるがそこまで大きな音ではない。
母熊に聞こえるほど大きな音を立てていれば、小熊と遭遇することはなかったかもしれない

熊を40年以上研究されている、北海道野生動物研究所の門崎所長によると、ラジオもよくなとのこと。

ラジオのように常に音を出し続けていると、人間がクマの気配に気づきにくくなる。
また熊鈴はよほど大きなものでない限り、沢音等にかき消されて熊に気づかれにくい。(かといって大きい熊鈴は重いし、なによりもうるさい)

笛や指笛は大きく響くので、熊に気づかせることができる。爆竹やおもちゃのピストルも有効だと思う。


「・ナタを携帯することについて」

・熊と遭遇したときの対策


「北海道野生動物研究所」のサイトによると以下の通りだ。

・20m以上距離がある場合、走らないで、熊の様子を窺いながら、熊から離れること。
・距離が10数mないし数mしかない場合は、その場に止まりながら、話しかけること(最初は普通の音声で、それからは大声で)


それでも熊が襲いかかってきたらどうするか?

命がけで戦うしかない。

絶対に死んだふりなんてしてはいけない。
熊の強い力で攻撃されて激しい痛みに耐えぬいて死んだふりはできるはずがない。

熊と遭遇して生還したという体験談を見ると、全員反撃して助かっている。
反撃するためには武器が必要でどこでもいいから熊に一撃を与えることである。

体験談によると熊に一撃を与えたことで熊がひるみ、逃げていく。
万が一鉈を持っていない場合でも、熊の舌をつかんで引っ張って助かった例もある。

とにかく熊がひるむような攻撃を命がけでする必要がある。


【有効な道具】

ホイッスルは、100円の小さなものだと思い他音が小さいことがある。とこに滝のそばや風が強く吹いているときは音が響きにくい。安いものは濡れると音が出なくなるものもある。そのため、できるだけ大きな音が出て、かつ濡れても音が出せるFox 40ソニックブラストは大変有効だ。

そしてナタは様々な種類があるが、できるだけ携帯しやすく、鞘がコンパクトなものが良い。


 


【最後に・・・】

なお、私が小熊と遭遇したときは背を向けて逃げたが、親熊を恐れての判断である。
小熊を守るために親熊は攻撃的になる。
これは実際にあった話だが、車に乗っているときに林道で親小熊と遭遇し、車を廃車にされたという例もある。
子熊を守るために親熊は攻撃的になるから親子熊が一番危険だ。

私はたまたま助かったが、小熊=すぐ逃げるで助かる保障はない。
もしまた同じような状況(小熊と遭遇)になったら私は走って逃げるつもりだが、確実ではないので一つの体験談であることを忘れないでほしい。

動画








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